本校は、全校児童75名の小規模校で、特別支援学級設置4年目を迎えた。入学後、特別な支援を要する児童であったと発覚するケースも少なくなく、特別な支援を必要とする児童や気になる児童が各学級に在籍する。また、複雑な家庭事情が絡み配慮を要する児童も多い。そこで、どの児童も大切にされ、生き生きと学ぶことができる学校を目指し、各主任に指示し課題解決に取り組んでいる。
1 校内支援体制の確立と充実
校内委員会の機能化、ミニケース会議の開催、毎週終会時の子どもを語る会の充実を目指し、年間計画に位置付け運営を行っている。校内委員会では、応用行動分析学の手法を用い、一番必要な支援にしぼり、役割分担を明確にして実践する。そして、校内委員会の内容を全職員で共通理解し、全校体制で支援することを大切にしている。ミニケース会議は、計画以外にも開催し、校長・特別支援コーディネーター・担任等による少人数のメンバーで、いつでも相談できる体制をとっている。悩みを聞き、効果的な指導や対応について話し合うことで、担任がさまざまな問題や困難を一人で抱え込まないように努めている。
2 全ての児童が学びやすい授業や環境づくり
全ての児童が参加し分かるUDL授業を目指し、昨年度、学習環境整備・学習ルール・個別的配慮からなる「UDL本田スタンダード」を作成した。今年度は、各自が重点事項を決め取り組み、月末に評価し、次の重点事項を決めるように改善した。PDCAサイクルを確実に実施することで、担任の意識を高めることができた。各担任の実践で成果のあった取組や手立てについては、特別支援コーディネーターに「特別支援だより」で紹介させ、共有化を図っている。
3 かかわる同和教育の視点から
今年度から2年間の同和教育の研究指定を受け、研究主題『互いのよさを尊重し、共に生きる子どもの育成』に向け研究に取り組んでいる。同和教育の授業実践、異学年集団を活用した交流活動を年間活動計画に位置付け、認め合い・励まし合い・支え合う集団づくりを推進している。また、児童が持つ問題を共有し全職員でかかわれるよう、学習・生活面における全校児童個別ファイルを作成した。記録を蓄積し支援策の改善に役立てていきたいと考えている。
全校挙げての支援体制は整いつつある。さらに、職員一人一人の指導力の向上、そして、停滞傾向にあ
る幼稚園・保育園や中学校との連携を進めていきたい。 |