1 個を伸ばす(伸ばすことのできる)指導を
本校のNRT や全国学力調査結果の分析から、学力の「2極化」傾向が見られた。学習面に悩み、意欲・自己肯定感が低下している児童がいる。表題に掲げたような子どもを育てるためには学力下位児童への丁寧な指導が急務であることを職員の共通認識とした。
そのためには、その子の分かり方の特性を捉え、その子らしい分かり方を踏まえた指導が必要であり、そのための教師の力量の向上を図らねばならない。
2 授業の改善のために
子どもが、自分らしさを発揮しながら意欲的に学ぶ授業への方針を職員に示し、以下のように授業改善を図っている。
(1) 書く活動を中心にした国語科授業の研修
「活用力」の向上を目指し、書く活動を中心に据え、大きく次の2点から授業研修を行っている。
①書く目的、相手意識を明確にし、意欲を高めるための入り口と出口(ゴール)を工夫した単元の構成。
②学年の指導内容、系統性を押さえた、「教える場面」と「考えさせる場面」の有効な組織。
そのため、全学級が年間1回ずつ、指導者を招へいして、全体公開授業を行っている。
(2) 日常的な授業(に近い)実践の公開
全体研修内容の日常化のために「活用場面」を組織した授業を全学級が公開し、管理職と参観できる職員が参観する(略案作成)。事前に「課題の明確化」「意欲を高める導入の工夫」「考えたり試したりする場の設定」「課題・練り上げ・まとめを明確にした構造的な板書」等、9項目の授業観察の観点を示し、授業後に個別に指導・助言を行っている。
(3) 考えを練り上げる活動の向上
当校の「話し方スキル」の定着を目指し、知育部に働き掛け、毎月初めに学級担任の取組を点検している。また、ペア、グループ活動の在り方について公開授業後の協議内容と校長としての指導・助言内容に取り入れている。
3 教師の意識改革のために
学力向上に全職員で取り組まねばならない。しかし、「学力向上は県の重要課題だから」「管理職や研修部が言うから」取り組むというのでは、現状を変えていく強い力は生まれてこない。
教室の子どもに正対し、どのような力をつけてやることが生きる力となるのか、その子の成長の道筋を、その子への「教師の願い」として描くことが重要であると考える。「進んで問題解決に取り組む」のは、子どもだけではない。 |