1 はじめに
令和 4 ・ 5 年度の 2 年間、新潟県NIE実践研究委嘱校の指定を受けた。今、子どもたちに求められているのは、地域や社会の中で課題を見付け、解決のために行動する力を育むことである。新聞を授業や家庭学習に活用することで、社会や地域への関心を高め、自分事として考えを深めさせる手立てとして研究を進めてきた。
胎内小学校では、生活科や総合的な学習の時間を中核とした「探究のプロセスの在り方」を研究の柱として、新しいカリキュラムの編成・実施をしている。そこで、探究のプロセスの中に新聞活用を位置付け、自ら課題を追究する子どもの育成を目指している。
2 子どもと新聞との距離を縮めるための取組
初年度は、新聞に親しむことができる環境づくりと児童同士が新聞からの学びを共有することを中心に取り組んだ。
・いつでも手に取ることができる新聞コーナーの設置
・朝学習に新聞を読む「Nっ子タイム」
・「新聞スクラップ」づくり
・新聞記事の授業活用(生活科・総合的な学習の時間)
これらの取組により、新聞を身近に感じるとともに、発達段階に応じて社会の出来事に興味関心をもつ子どもが増えてきた。
3 NIEと学力
新聞記事の読み取りや記事の比較・解釈をすることによって読解力、語彙力、多様な知識や多面的な見方・考え方を身に付けることができると言われている。
当校では、生活科や総合的な学習の時間で、探究のプロセス内の「学びの入口」や「学びの出口」に新聞活用を位置付け、授業実践を進めている。生活科や総合的な学習の時間で最も大切なのは知的好 奇心である。新聞記事の事実が、今まで当たり前だと思っていたこととズレがあるとき、「なぜ?」「もっと知りたい」という追究のエネルギーになる。主体的な学びを支える手段としても有効である。
4 おわりに
手探り状態のNIE研究だったが、様々な効果を子どもの姿で実感することができた。躊躇せずにまず取り組んでみる。そこから見付かるものがたくさんあることを学んだ。
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