1 願い
あふれる情報に囲まれ、日々変化する社会の中で、直面する諸問題を解決するための方法を考え、行動できる大人になってほしい。その基礎となる力をつけたいと、「『数学的な考え方』を身に付け、自分の考えを表現できる子どもの育成」をテーマに掲げ、教職員一丸で研修に励んでいる。
2 実態とねらい
算数授業において、「何から、どのように考えを説明したらよいのかがわからない」といった子どもの実態があった。
さらに、全国学力・学習状況調査の算数B問題の正答率や、CRT学力検査の「数学的な考え方」の観点が、県や全国の平均値を下回っていた。そこで、主体的に問題に取り組み、自分の考えを伝え合い比較・検討する中で、数学的な考え方を身に付けさせることをねらいとした。
3 主体的に問題に取り組ませる手だて
授業において、その時間の見通しをもたせる場面を大切にし、前時までとの違いや既習事項を想起させた上で、本時の課題(◎)を子どもだちと共に設定した。
また、問題を考えるときに絵で表したり、○や↓を使った図をかいたりすることを、低学年時から徹底させてきた。
こうした働き掛けから、子どもたちは授業の目的を明確にもち、主体的に問題に取り組むようになった。
4 自分の考えを伝える手だて
○ペアによる伝え合い
単なる言葉のやり取りではなく、ノートやボードの図や絵を指し示しながら相手に説明させたり、共通点や相違点を見つけながら互いに聞かせたりすることで、自分の考えを見直させることができた。
○ミニホワイトボードや実物投影機の活用
ミニホワイトボードは、書いたり消したりが容易であり、黒板に直接貼れるので、自分が書いた図や絵や言葉を使って、直接説明する場面で効果的であった。
また、実物投影機は、自分の操作を実際に見せながら伝えることができ、確かな理解につながった。
5 成果と課題
平成25年度のCRT全国学力検査の算数では、3観点および「数学的な考え方」ともに、全国平均を上回った。
また、平成26年度の学習指導改善調査の算数では、4・5年生で県平均を上回り、6年生も県との差が縮まった。
「考え方」と同様に、数理処理の力を伸ばしていくことと、算数用語を適切に使わせることが、今後の課題である。 |