課題は,全校体制での学力下位層の底上げ
本校のNRT や全国学力テストの分析結果から「基礎学力が身に付いていない子ども」が大変多いことに危機感をもち,学力下位層児童の底上げをしない限り,学力向上はありえないと考えている。全職員が,共通認識の下で,確実に成果を感じて指導できる取組に挑戦させたい。
既に取り組んでいることの活用から成果を実感させる戦術
昨年度は,配信された基礎的な問題に取組結果を入力し,市の平均と比べ「やっぱり,低い」となっていた。
今年度は,研究主任を指導し,市教委から配信される補充問題や昨年度実施の過去問題を授業の中で教材として活用したり,事前に繰り返し取り組ませたりして,特に下位層にも分かる指導を徹底させた。その後,配信問題に取り組ませ,市の平均を上回ることも可能になり「やれば,できる」になった。更に,分からなかった・できなかった配信問題を全員ができるまで取り組ませるが,その際も事前の指導の効果もあり,職員・子ども双方の負担が少なく意欲的な取組の継続が可能になってきている。
担当者に学校評価の評価基準の見直しを指示し,前期の単元末テストの平均点を低く設定させた。これは,例えば80点を8割に達成させるという指標の場合は上中位層に目が向くが,低い平均点を指標にすることで,下位層を上げることで目標を達成できるという意識を職員にもたせ,同時に成果を得やすくしておくというものである。その結果,前期は全学級で指標を上回った。十分に前期の学習指導を称賛し,設定値を少し引き上げた上で後期を迎えている。今後も,既存の各種評価を活用し,成果が確実に感じられる指標の設定等を研究し,職員が意欲をもって次々挑戦していく戦術を追求したい。
学習のきまりや指導法等は昨年度までも設定してきているが,今年度は,下位層の子どもが,課題を明確にとらえ,指示をきちんと理解して学習を進めることができるためのUD 授業の観点を取り入れたきまりや課題提示,指示等を徹底できるよう学習指導部を指導した。「こんなことまで通常学級でやるのか」という意識から「下位層の子どもに理解させる指導方法が,全ての子どもにとっても効果的である」というUD の考え方の有効性を基に全校で取り組み,成果を上げるよう職員を鍛えていく。 |