はじめに
学校現場は忙しく教育活動はどれも大事だ。自校の児童に今最も必要な教育は何か。自校の実態をよく知り、学校課題を明確にして重点化するのが校長の役目である。
当市には、市学校評価推進委員会があり、共通項目の学校評価アンケートを実施している。自校の相対的な位置や経年変化等が分かり、各校独自アンケートとともにこの情報が学校経営の根幹となり解決すべきことが見えてくる。当校は、学習意欲や家庭学習、睡眠が平均より低めである。確かな学力をはぐくむための重要な視点として、学ぶ喜びを味わえる授業改善と生活習慣を自律する力が必要であると考える。
1 自ら学ぶ学習スタイルへの転換
授業が分かる(九割)に対し、伝え合う(七割)と、関わり合って学ぶ楽しさを十分感じていない(当校児童アンケート)実態がある。研究主題を「わかる・できる・のびる子の育成」とし、一人一授業公開を通して研修する。例えばICTを活用し、どのように学習したいかコースを選択させ自主性を引き出す。学習のまとめを共同編集させ対話を促す。意思決定や関わりの場の設定により、主体的かつ協働的にやり遂げようとする意欲を喚起する。
2 プランニングタイム
学校で与えられた宿題をこなす意識では受け身の学習だが、自ら計画する意識をもたせれば、自ら学ぶ姿勢を育てることにつながる。当校では、市学校評価推進委員会の提言を受け、校時表に「プランニングタイム」を位置付けている。家庭学習カードに宿題の他、お手伝いや読書、自主学習の内容や開始時刻を記入する欄がある。夏季休業中にはメディアとの付き合い方を保護者と一緒に考える機会を設けた。家庭学習時間や早寝の維持向上に役立っている。家庭学習習慣、生活習慣における家庭との連携はどの学校でもやっており目新しくはない。しかし、ゲームや動画視聴、塾や習い事に通う子が多い昨今は、自分で放課後の時間の使い方を考える意識改革が重要になっている。
おわりに
教職員の協力を得ながら学校課題の解決を進めていくためには教職員のモチベーションが大切である。市共通項目の評価結果は自校の課題が見えるだけでなく教職員のやりがいや手応えにもなる。数値に一喜一憂する必要はないが、子どもの良さや成長、指導の成果を見取り、教職員と共に喜び合う心をもつ校長でありたい。
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