「学力向上は、授業改善から」を合い言葉に、当校教員のみならず、中学校区全教員で「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業づくりに励んでいる。
「ふるさとを愛し、思いやりにあふれ、未来をたくましく切り拓く子ども」は、保護者、地域の共通の思いである。だからこそ、中学校区全教員で授業改善の視点を共有し、互いに授業を見合って授業力を向上させ、子どもたちに学ぶ楽しさを実感させたい。中学校区学力向上部会の担当として、その取組を紹介する。
一 目指す子どもの姿
課題解決やめあての達成に向けて、友達とよりよく関わりながら、主体的に学ぶ子ども
二 授業改善の視点と授業研究
今年度は、区全体の授業改善の視点を次の五項目に絞った。①学習規律の指導②課題の工夫③学びの共有(思考の深化)④個別の評価(学びの振り返り)⑤個への配慮 である。教員はこれら五つの視点を意識して授業を行い、一学期終了時に各視点について三段階で自己評価し、二学期の授業改善につなげている。
また、授業研究は、授業を三小学校で各二つ、中学校で一つ公開(市教委による支援訪問等に合わせた)し、全教員がどれか一つを必ず参観して、自らの授業改善に生かしている。互いに授業を見合い、切磋琢磨して授業力を向上させていこうとする教員の学ぶ姿勢は、とても重要である。
三 取組の反省と今後の課題
授業改善の視点を五項目に絞ったことで、自己の授業の振り返りがしやすくなった。小中が授業規律や課題の工夫について共通に取り組むことで、児童生徒が落ち着いて授業に参加できるようになった。また、児童生徒の学びの振り返りは、児童生徒の主体的な学びにつながるだけでなく、教員の授業改善にも有効であった。
授業研究については、日々の業務に追われて他校の研究会に参加する時間がない中、同じ中学校区で互いに授業参観ができることがとてもありがたいとの意見をいただいた。
今後の課題は、授業改善視点③学びの共有(思考の深化)である。そのためには、教科の面白さを感じさせる学習課題をさらに工夫していくこと、授業の中に「対話」を通した追究を仕組んでいくこと、「対話」による追究を可能にする「聴く力」を高めていくことであると確認した。
中学校区で共通の視点からの授業改善は、区全教員による学力向上に向けた協働した取組である |
|