1 目標と学習と評価の一体化
昨年度までの「学び合う力」の育成をさらに進め,新しい学習指導要領で求められる力を育成するために,上越教育大学教職大学院准教授水落芳明先生からご指導いただき『目標と学習と評価の一体化』を図る授業作りに取り組んでいる。これは,授業のねらいを明確にし,子どもたちのどのような姿を達成目標とするのか,また,それに向けた学びをどのように評価していくのかを,教師と子どもたちで共有していくことである。
そのため,まず,課題が重要となる。課題作りのポイントとして次の3つを意識して取り組んでいる。①シンプルな課題であること②評価時期が明示されていること③目標とリンクした評価方法が明示されていることである。
次に評価である。子どもたちが学習の成果を実感し,次のステップに向けた自信につなげたり,教え手が,その説明に対する聞き手の反応から,説明方法等の効果を判断し,次への教授・学習活動へ生かしたりするなど「フィードバック」を意識した取組をしている。その際,「評価=見ること,見ていることを伝えること」を心掛け,居心地のよい学級作りを進めていく。こうして,評価によって更に目標が共有化され,学習が展開されていく。
2 可視化による学び合い
『目標と学習と評価の一体化』を深めるための手立てとして,「可視化」に着目した研究を進めている。「可視化」とは,自分の考えが見えること,他の考えが見えることとし,子どもたちを活発に交流させ,自分の考えを深め,変容させるための手立てとしてとらえている。これは,子ども相互の見取りを進める手立てでもある。
3 Weになる
「みんな」が分かる・できるようになるために「We」の考え方にも着目している。これは,「学びのドーナッツ論」に基づくもので,目標を共有し,責任を分担することで「同じ方向を向く」ことを目指す。当校では,子どもたちが「We」になることを目指しているが,職員も「We」を目指す。指導案検討の際には,1人で悩むのではなく,みんなで悩み,考える。協議会では,みんなの指導案になっているので,そこでの意見も子どもに寄り添った内容に変化する。授業や協議会等も上越教育大学教職大学院生の協力を得て分析をしている。その結果を,研究主任が「We 通信」として職員に配付し,成果と課題を共有している。
みんなが「We になる」研究の成果が期待される。 |