当校は,児童67名,職員14名,7学級の小規模校である。学区に長野県との県境を有し,上越市でも積雪の多い山間地域である。冬はこの雪を利用して,全校児童でクロスカントリースキーに取り組んでいる。
1 「伝え合う力を育む」授業改善
「確かな学力」の育成は,当校でも喫緊の課題である。児童は能動的に「自分の考えを相手に伝える」ということがうまくできない傾向がある。この傾向は,学習活動においても,基礎的・基本的なドリル学習には懸命に取り組むが,自分の考えをつくり,互いに伝え合う活動は苦手という姿に現れている。そこで,算数科の授業を中心に「伝え合う力の育成」を目標にし,自分の考えをつくり,まとめ,伝える学習活動を重視した。そして,考えをつくり,伝え,問い返す学習環境を意図的に設定することで,学習内容の理解を深められるようにした。
研究仮説は,「実感を大切にした導入,考えたことを自分の方法で表す活動,伝え合う(伝え,問い返す)活動を重視した学習過程を大切にすることで,子どもの考えの多様性や発展性を知り,学習内容の理解を深めるであろう。」とした。
成果は,①実感を伴う導入を構想することで,子どもが意欲をもち続けて学習を進めようとする姿が多く見られた。②自分の考えの根拠をしっかりともつことで,友達の考えに耳を傾けようとする姿が多く見られた。③他者の意見と比べるとき,課題把握やイメージ化,言語化するために,ホワイトボード(マイボード)による伝え合いの支援ツールが効果的に働いた。④考えた道筋を互いに出し合うことを通して,多様な考えに気付くことが
できた。
2 中学校区で取り組む生活習慣の改善
中学校区で学力と生活実態を分析した結果,小・中学校とも家庭でのテレビ視聴とゲーム時間が長いことが分かった。そこで,課題解決に向けた小・中合同の「健康体力向上部会」を設置し,毎月1回話し合いの場を設けた。6月に「メディアとのつき合い方を考え,自分の生活を見直してみよう」という牧小・中学生ライフスタイル調査を実施した。この調査結果をもとに,小・中合同学校保健委員会を9月に実施した。調査結果を中学生がプレゼンで発表するとともに,上越教育大学の石野教授から「情報メディアと生活習慣」という演題で講演をいただいた。講演内容を受け,児童生徒が18班に分かれ,1人1人が健康宣言カードに改善点を書いた。これらの取組から生活習慣が見直され,家庭学習の時間が確保できた。 |